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全豪オープン男子2016(Australian Open2016)まとめ

2016年 全豪オープン 男子プロ この記事は約 12 分で読めます。 3,175 Views

1, 全豪オープン2016をふり返る前に

*ランキングは全て2016年1月19日付けで記載。

全豪オープン2016(Australian Open 2016)のまとめ。
大会の見どころや衝撃の結果などを動画で振り返ってみてください。

前回(2015年)の結果(1 – 8位)

優勝:ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)
準優勝: アンディー・マレー(Andy Murray)
ベスト4: スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)*ジョコビッチに敗北
ベスト4:トーマス・ベルディヒ(Tomas Berdych)*マレーに敗北
ベスト8: 錦織圭 *ワウリンカに敗北
ベスト8: ミロシュ・ラオニッチ(Milos Raonic)*ジョコビッチに敗北
ベスト8: ラファエル・ナダル(Rafael Nadal)*ベルディヒに敗北
ベスト8:  ニック・キリオス(Nick Kyrgious)*マレーに敗北

2, 結果

2.1 [1 – 8位]

優勝:ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)
準優勝: アンディー・マレー(Andy Murray)
ベスト4: ロジャー・フェデラー (Roger Federer)*ジョコビッチに敗北
ベスト4: ミロシュ・ラオニッチ(Milos Raonic)*マレーに敗北
ベスト8: 錦織圭 *ジョコビッチに敗北
ベスト8: ガエル・モンフィス *ラオニッチに敗北
ベスト8: トーマス・ベルディヒ *フェデラーに敗北
ベスト8:  ダビド・フェレール *マレーに敗北

2.2 注目結果

  *注目のポイントを編集者の独断と偏見に満ちたランキング形式でまとめます。
5位: 錦織圭、ジョコビッチ戦で敗退【準々決勝】

4回戦で見事ジョーウィルフリッド・ツォンガ(Jo-Wilfiried Tsonga、ATP10位)を倒し、2015年全仏オープンのリベンジを果たした錦織圭(ATP7位)だったが、準々決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、ATP1位)にストレート3-6, 2-6, 4-6で敗れる。
ジョコビッチは4回戦、シモン(Gilles Simon)と対決し、6-3, 6-7(1), 6-4, 4-6, 6-3と前日に苦戦を強いられたにも関わらず、この日の錦織戦ではミスを出さず、反撃の糸口を与えなかった。

4位: 地元悪童キリオス、ベルディヒに敗北

全豪5日目、オーストラリア地元選手、ニック・キリオス(Nick Kyrgious、ATP30位)はトーマス・ベルディヒ(Tomas Berdych、ATP6位)に6-3, 6-4, 1-6, 6-4で敗れ、3回戦で姿を消した。
去年の同大会では準々決勝まで駒を進め、注目を集めていたキリオスだったが、この日ストロークやサーブが安定していたベルディヒに対して、ミスを連発し、地元民の期待に応えれないまま苦杯を喫することとなった。

3位: 錦織キラー ペール1回戦で惜敗

他のシード選手が順当に2回戦へ駒を進める中、今大会シード17を与えられていたブノワ・ペール(Benoit Paire、ATP18位)がまさかの1回戦敗退。当時19際の期待の超新星ノア・ルビン(Noah Rubin、ATP328位)に6-7(4), 6-7(6), 6-7(5)という各セット大激闘の末に敗れた。
ペールは直近、2015年全米オープン1回戦、2015年楽天オープン準決勝で錦織圭と対決しいずれも勝利していて、2015年後半は最高ランキングを更新し波に乗っていた。それゆえ、今大会での初戦敗北は日本人ファンの皆様に衝撃を与えたのではないであろうか。

2位: ラオニッチ悲願、準準決勝進出

4回戦、激闘の末に勝利の雄叫びをあげたのはカナダのビッグサーバー、ミロシュ・ラオニッチ(Milos Raonic、ATP14位)。この日、6-4, 6-3, 5-7, 4-6, 6-3という息がつまるようなスコアで撃破したのは、2014年全豪覇者、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、ATP4位)である。
この日まで公式戦通算4戦4敗と1度も勝利をしたことがなかったラオニッチだが、一進一退の攻防戦の末、最終セットでワウリンカのサービスゲームをブレイク、そのまま持ち味のビッグサーブでこの日勝利を手にした。
全豪前のブリスベンインターナショナルカップ(ATP250)でロジャー・フェデラー (Roger Federer、ATP3位)を倒し優勝していたラオニッチ、今回の勝利は2016年ラオニッチの大躍進を予感させるようなそんな試合だった。

1位: 【7年前のリベンジ】ベルダスコ、ナダル戦を制する

2009年、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、ATP5位)が男子テニスのトップに君臨し帝国を築き挙げていたその年の全豪オープンで波乱を巻き起こしたのはスペインの同胞 フェルナンド・ベルダスコ(Fernando Verdascol、ATP45位)である。7-6(4), 4-6, 6-7(2), 7-6(1), 4-6という長い長い死闘の末敗北してしまったが、その時の試合時間は5時間14分、全豪オープン最長試合時間として記録が残され、当時の王者ナダルをここまで追い詰めたベルダスコの功績は今も語り継がれている。
7年後の今年、同じドローで1回戦両者は激突することになった。誰もが苦闘の末ナダルの勝利を疑わなかったこの日、7年前とは逆の結果が待ち受けていた。7-6(6), 4-6, 3-6, 7-6(4), 6-2という息を飲む接戦を制し、ベルダスコはリベンジを果たしたのだ。2014年後半以降、全盛期の頃の調子がなかなか取り戻せないナダルとはいえ、誰が全豪1回戦で姿を消すと予想しただろうか。

3, 見所 highlight pick up

 

【1回戦】

     - ナダル(Rafael Nadal)vs ベルダスコ(Fernando Verdasco)
       最後マッチポイントのベルダスコのフォアハンドが、この日一番の歓声を呼び起こした。
 

– ペール(Benoit Paire) vs ルビン(Noah Rubin)
最後ルビンの勝利が確定した瞬間の雄叫びがなんとも言えない….

– ヒューイット(Lleyton Hewitt) vs ダックウォース(James Duckworth)
「今大会をもって、引退する」そう宣言して今大会に臨んだのは元世界王者レイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)選手である。ヒューイットの最後の勇姿を見るために駆けつけたオーストラリアの地元民で観客席はすべて埋まり、1回戦とは思えない盛り上がりを見せた。
34歳、プロとしてはもう若くはない年齢だが、この日見せたヒューイットのガッツはダックウォースを圧倒し、この日の1回戦を引退試合とすることなく勝利した。

【2回戦】

– フェレール(David Ferrer) vs ヒューイット(Lleyton Hewitt)
1回戦見事に勝利を収めたヒューイットの目の前に立ちはだかったのは、33歳にして今も男子テニストップ選手として活躍するフェレール(David Ferrer、ATP8位)であった。引退試合を示唆するとは思えないヒューイットのガッツを受け、最高のパフォーマンスで迎え撃ったフェレールが6-2, 6-4, 6-4で勝利した。

【3回戦】

– ゴフィン(David Goffin) vs ティエム(Dominic Thiem)
未来のテニス界を担う若手同士の対決。ベルギーの星ダビド・ゴフィン(David Goffin、ATP16位)がオーストリアのルーキー、ティエム(Dominic Thiem、ATP20位)を(6-1, 3-6, 7-6(2), 7-5)で破った。ベースライン上での長い攻防戦は観客の目線を釘付けにした。

– フェデラー (Roger Federer)vs ディミトロフ(Grigor Dimitrov)
今もテニス界のトップを君臨する生ける伝説、ロジャー・フェデラー (Roger Federer、ATP3位)がこの日ぶつかったのは、「ベビーフェデラー」の異名を持つ天才グリゴル・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ATP28位)であった。試合を制したのはトップとして、テニス界の生ける伝説の威厳を見せたロジャーであった。

– ジョコビッチ(Novak Djokovic) vs セッピ(Andrea Seppi)
一体誰が、誰が無敵の王者ジョコビッチ(Novak Djokovic、ATP1位)を止められるのか。2016年これまでまだ1敗もしていないジョコビッチを今大会で最初に本気にさせた選手はイタリアのアンドレア・セッピ(Andrea Seppi、ATP29位)ではないだろうか。安定感のある強打で王者を追いつめるセッピ、だが紙一重のところで戦況をひっくり反し、勝利を手にしたのはやはり世界王者だった。

– キリオス(Nick Kyrgious) vs ベルディヒ(Tomas Berdych)
数々の問題を起こしては話題を集めていた地元の悪童キリオスとベルディヒの試合。この日のベルディヒは安定したサーブとストロークでキリオスを追いつめた。フォアとサーブの強打を得意とするキリオスの死角を正確に居抜き、堅実にターニングポイントをものにするベルディヒには感服せざるを得ない。

【4回戦(R16)】

– ジョコビッチ(Novak Djokovic) vs シモン(Gilles Simon)
凡ミス総数100本以上、この日のジョコビッチは王者らしからぬプレーを連発した。その相手は対戦相手にミスをさせるテニスを得意とするジル・シモン(Gilles Simon、ATP19位)であった。ただラリーを続てるだけと思いきや、時たま強打を繰り出しウィナーを取るシモンのテニスに観客は小さな可能性を抱いたかもしれない「シモンがジョコビッチを倒すのでは…?」と。

– ラオニッチ(Milos Raonic) vs ワウリンカ(Stan Wawrinka)
最終セットまで、どちらが勝つか予想できないなか勝利をものにしたのは通算4連敗で今までワウリンカに1勝もできなかったラオニッチであった。試合後のラオニッチの雄叫びにはすべてが詰まっていた、それがこの試合にかけていたラオニッチのすべてを物語っていた。

【準々決勝、準決勝、決勝】

– マレー(Andy Murray) vs フェレール(David Ferrer)[QF] 「この日は今までにないほどの最高のパフォーマンスだった」そう語るのはマレーだった。いや、だが私にはフェレールのテニスがこれまでにないほど良かったように見えた。両者どちらが勝ってもおかしくない、最終セットタイブレークに行ってもおかしくないような技術の応酬のなか6-3, 6-7(5), 6-2, 6-3というスコアでこの日の試合をものにしたマレーを勝利に導いたのは一体何だったのか。

– ジョコビッチ(Novak Djokovic) vs フェデラー(Roger Federer)[SF] この日はジョコビッチにとって記念すべき戦いだった。この日の勝利でジョコビッチはフェデラーに対して23-22と過去の対戦成績の勝ちの数を塗り替えたのだ。お互いにとってものすごく意義のあるこの試合で圧倒的な勝利を果たしたのはジョコビッチだった。フェデラーファンを愕然とさせるようなジョコビッチのテニスからは並々ならぬ気迫を感じる。

– マレー (Andy Murray)vs ラオニッチ(Milos Raonic)[SF] 「惜しかった…あと一歩だった…」とラオニッチの敗北に苦汁を飲んだのは本人だけでなく、彼の勝利を願っていたファンではないだろうか。第4セット後半で脚の痙攣がこの日のラオニッチの快進撃を止め、マレーに起死回生のチャンスを与えてしまった。最終セット、明らかに様子がおかしいラオニッチが諦めずにプレーする姿には胸を打たれるはず。

– ジョコビッチ(Novak Djokovic)  vs マレー(Andy Murray)[F] (6-1, 7-5, 7-6(3))、このスコアからいつも通りのジョコビッチとマレーの試合を想像した方は一回見てほしい。この日のマレーの調子は今大会どの試合のなかでも最悪であった。それでも諦めず、なんとかボールに食らいついて王者の行進を止めようとしたマレーの勇姿に私は心を打たれた。今や誰も止められない勢いで歴史を塗り替えようとする王者ジョコビッチを止めれるうちの一人はマレーだと信じてる。この試合のあと奥さんのキムシアーズとの間に子供を授かって父親になったマレー。インタビューで「子供が誇りに思うような父親になる」と誓ったマレーには今後また大きな舞台で勝ってもらいたい。

4, 錦織圭の活躍

– フィリップ・コルシュライバー(Philipp Kohlschreiber, 当時ATP34位)
「なんでシード選手じゃないんだろう…」錦織は試合前のインタビューでコルシュライバーの強さを警戒する姿勢を示した。それが功を奏したのか、試合本番ではコルシュライバーの堅実な試合展開を上回る慎重かつ大胆なパフォーマンスを繰り出し、6-4, 6-3, 6-3という圧倒的なスコアで勝利を収めた。

– オースティン・クライチェック(Austin Krajicek、当時ATP103位)
ジュニア時代、まだ英語が話せない錦織に英語を教えていたルームメイトがクライチェックだったという。お互いテニスという競技で切磋琢磨し、こうしてグランドスラム2回線を戦うこととなった。結果は6-3, 7-6(5), 6-3で錦織が勝利。

– ジラルモ・ガルシアロペス(Guillermo Garcia-Lopez、当時ATP27位)
3会戦、順当に勝ち進んだ錦織の目の前に立ちはだかったのは、スペインのガルシアロペス。一見ぱっとしないランキングの選手だが、全仏でワウリンカを倒したりトップ選手を倒す難敵である。2セット目でセットカウント1-1と、錦織の勝利に陰りが映る最中、それでも最後に勝利を果たしたのは錦織だった。

– ジョーウィルフリッド・ツォンガ(Jo-Wilfiried Tsonga、当時ATP10位)
日本人なら誰でも覚えているであろう2015年全仏オープン4回戦、ツォンガが錦織にフルセットの末破ったあの屈辱的な瞬間である。今回の4回戦はそれ以来のリベンジマッチに当たる。おそらく錦織にとってもっとも苦戦を強いられる試合の一つとなると予想されたが、6-4, 6-2, 6-4で錦織はストレートで勝利した。試合後、錦織は「試合中はできることだけに集中した、ただそれだけ」とコメントし世界の錦織たる堂々とした態度を見せた。

– ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、当時ATP1位)
これが世界王者の実力。大会通して好調の錦織ですら1セットも取れないのを見て何を思うか。試合前半、フォア・バックハンドでウィナーを決めペースを作る錦織の隙をつき、ブレイクを着実にものにするジョコビッチらしい勝利だった。

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