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マイケル・チャンの哲学と、錦織選手の成長(2014)

Blog ドキュメンタリー マイケル・チャン 錦織圭 この記事は約 6 分で読めます。 5,821 Views

錦織選手は2014年、世界ランク1位のジョコビッチを破り、日本人初グランドスラム決勝進出。ツアー優勝4回、世界ランク5位。という好成績をおさめました。

いかにして錦織選手は世界にのぼり詰めたのでしょうか?その錦織選手の急成長の秘密と2014年までの活躍をまとめたドキュメンタリー番組。

■錦織選手 ドキュメンタリー番組

■小さな頃から、抜群のテニスセンス

両親の影響で、5歳でテニスを始める。わずか5歳で、驚くほど性格にボールを捕らえていたそうです。そして、小学生では全国大会で何度も優勝。修造チャレンジに参加し、松岡修造氏や他のトップジュニア選手とともに日本で強化合宿を行っていました。錦織選手の粘り強さは、少年時代に培われたもの。

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合宿中に、松岡修造が生徒たちに送った言葉。

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「君たちはこれまで、トップにいくために一生懸命頑張ってきた。思い出してごらんよ。いろんなサポートが合ったはずだろ。
コーチのみなさん、そしてご両親。自分一人でここまでやってきたんじゃない。
これから世界で君たちは、頑張ろうと思う中で、色んな困難やってきます。
本当、大変だよね。でも君たちが選んだ夢だ。目標だ。本当に親身になってサポートしてくれている人がいるということは、忘れないでください。」

■13歳にして、名門テニスアカデミーへの留学

13歳でアメリカでのテニス留学を決意。13歳で単身でアメリカに渡る。
留学先は、アガシやシャラポアなどの有名選手を輩出したIMGアカデミー。

アカデミーでの1日のスケジュール

・毎朝7時前に起床。
・コンディションチェック

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・ジムのトレーニング、ヨガ、マッサージなどでフィジカルを管理。
・練習は1日7時間。

帰宅後は日本の通信制高校で学ぶ。ルームメートがゲームをしていても勉強していた。周囲に流されないストイックな姿勢を守っていた。

>>テニス留学により得られたメリット

・練習の時から世界のトップ選手と打ち合える
・10人以上のスタッフが錦織につくというサポート体制
・海外の選手と生活を共にすることで、英語も上達し、国際感覚も磨かれた。

■プロ転向後、ツアー初優勝。新しいスターの誕生。

17歳で念願のプロ契約。2008年 デルレイビーチ国際選手権で、当時
世界ランク244位の錦織が12位のジェームスブレークを破り優勝。
18歳でツアー優勝。2012年には、松岡修造以来のグランドスラムベスト8に進出。

■トップ10の壁と、マイケル・チャンとの出会い

プロデビューから順調に順位をあげていた錦織選手でしたが、トップ20位あたりでトップ層の壁を目の当たりにする。トップ10の選手に勝てない。それどころかトップ10入りがかかると格下の選手にも負ける。といった状態に陥っていた。

そんなとき2013年12月、錦織はマイケルチャンにコーチ(マイケルチャンは、1989全仏オープン優勝。17歳3ヶ月という若さで優勝した人物)を依頼することを決意。

錦織圭選手の成長の裏側:マイケル・チャンコーチ

マイケルチャンは世界トップ10になれるポテンシャルを早々に見抜いていました。
彼が錦織を変えた言葉があります。それは、2011年10月に世界ランク2位のフェデラーに完敗したときのこと。

「君はフェデラー戦で1つ大きなミスをしている。君は決勝の前にこう言いました。”フェデラーは尊敬する選手です。対戦するのが楽しみだ“と。君の過ちはそこです。優勝するのはお前じゃない!俺だ!そう言い切る気持ちが必要なのです。」

コーチ就任後は、マイケルチャンは理論派と言われており、トスをあげる腕の位置まで細かく指導。
そして、初めて指導を受けたときに錦織のブログには、こう書いてありました。

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・今までないほどの収穫量。10個以上直されたところがあった。
・1つ1つのことが納得できて、
・プラスの方向に向かっていると確信できている。など

いままで修正されなかったフォアまで指導され、あとはメンタルを強化。錦織のメンタルの強化はマイケル・チャンにしかできなかっただろうとも言われている。
そして、結果はすぐにあらわれる。

2月 全米室内選手権 優勝
4月 バルセロナ・オープン 優勝 
参考:2014年バルセロナ・オープン 錦織圭
5月 トップ10入り
8月 全米オープン 準優勝 
参考:全米オープン2014 US OPEN TENNIS(錦織動画あり)
9月 マレーシア・オープン 優勝 
参考:マレーシア・オープン2014 (錦織動画あり)
10月 楽天ジャパン・オープン 優勝 
参考:楽天オープン2014 (錦織選手優勝)

シーズン終了時点で世界ランク5位。

■マイケル・チャンの哲学まとめ

テニスの勝敗に身長は関係ない。どんな選手にも長所と短所はある。
マイケル・チャンは身長175cmという身長で世界2位まで上り詰めた選手。チャンは錦織の長所をいかすために、下記のことを徹底した。

戦略① ポジショニングを前にして、ポジションを下げずに打つ。
今までベースライン後方で打っていたが、それでは運動量が増えカラダに負担もかかっていた。しかし、前に出て攻撃的なテニスに切り替えることにより、攻められてもボールを打ち返すことができ、早くボールを返すことができるので相手にプレッシャーを与えることができるようになった。

さらに、ただポジションを上げるだけではなく、ブレークポイントを握られた時には、積極的にポジションをあげて、逆に、ブレークポイントを握った時には、あえてポジションを下げて、相手のミスを誘うなど、たくさんの戦略・心理戦の勝ち方をチャンは短期間の間に叩き込んでいった。(ツアーファイナルのジョコビッチ戦の第三セットを惜しくも逃した理由が、この戦略を守れなかったためだとチャンは言う。)

戦略② 基礎の技術練習とその反復練習。
これまで錦織選手は基礎の練習が好きではなかった。なぜなら、すぐに飽きてしまうから。しかし、今回は、チャンの理論により、細かなグリップの握り方、ステップなどのテクニックを1つ1つ改良していった。そして、ポジションをあげて打つための体幹と瞬発力を徹底して鍛えた。何千回と繰り返したショットは、試合中の大事な場面で打てる自信へと変わった。

戦略③ 世界一の選手を自分は倒せるのだと信じること。
正直、以前の錦織選手のメンタルは強いとは言えなかった。自信がなかった。そのせいで、自分のテニスを疑い、試合に勝つことへのモチベーション維持に苦しんでいた。チャンはトップ争いでは、テクニックはもちろん、メンタルの勝負になることを知っていた。彼は、錦織の心の弱さを見ぬき、自信を与えていった。

その結果、2014年、錦織選手は、目標であったトップ10を大きくこえ、トップ5になることができました。そして、何よりもメンタルが強くなりました。内側からでてくる自信のオーラすら見えるようになりました。上位の選手と戦うときの心構えとして、ショーをするのではなく、勝ちに行く。勝ちに行くテニスをするという考えができたというのが大きかったと彼自身もインタビューの中で話しています。

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