ブライアン兄弟から学ぶ、勝つためのテニスダブルス
全米オープンの男子ダブルス決勝で、マイクとボブのブライアン兄弟(アメリカ)は、マルセル・グラノリェルス、マルク・ロペス組(スペイン)に見事に勝ち、ペアとして通算100個目となるタイトルを獲得しました。
ブライアン兄弟、全米を制し通算100個目のタイトルを獲得
写真:©Hiroshi Sato
ブライアン兄弟は準々決勝、準決勝とファイナルセットにもつれる接戦を制して四大大会ではウィンブルドンに続く決勝進出を果たすと、決勝では全仏準優勝のグラノリェルス、ロペス組をストレートで破り、今年の四大大会では初となるタイトルを獲得しました。楽天ジャパンオープン2014では、シード選手も1回戦から登場します! チケットの詳細は「チケット情報」のページをご覧ください。楽天オープン公式サイト
・ATPの公式サイトから
“相手はとてもトリッキーなコンビだった。100個目という数字を意識したが、楽しみながらプレーができた、いい形でシーズンを終えたいと思う。国を代表するデビスカップでもがんばりたいと思う”と話しています。
そんなブライアン兄弟が、アメリカのオンラインテニス講座に協力し、出演した時の動画です。トークだけですが、ダブルスで勝つためのヒントもたくさん隠れていると思います。
まず相手はなにが得意で、何が不得意なのか?を知ることが大事です。どっちがネットが得意で、どっちがベースラインが得意なのか。そして、大切なポイントは必ず得意ではない方のショットを狙うようにしています。もちろん試合が始まる前に知っておくようにするべきです。ですが、もし相手のことが全くわからなかったら、最初の5分の練習で見つけるようにする。
ブライアン兄弟と彼らのコーチは、すべての対戦相手のデータを持っていて、それぞれ違う戦略を用意しています。そのぐらい相手を知るということは大切です。そのためにたくさん、ブライアン兄弟やコーチらが相手のデータを集めているのです。たとえば、相手のポーチに出るタイミングを知っていたりすると、次にどうすればいいのかが分かるようになります。さらに、自分のパートナーが相手の弱い方に打つと知っていれば、その分準備も早くできるようになり、これがチームワークの向上につながり、勝ちへとつながります。
もちろん、相手の調子が良くて、戦略がうまくいかなかった場合もあります。そういうときも、柔軟に対応できるようにしておくことも大切です。相手の調子に合わせてサイドを変えていったり、何か戦略を幾つか用意しておいたり。相手を知って対策を行うことが、大事な場面でポイントを取るために必要な戦略なのです。
これらを3つのポイントにまとめてみました。
ポイント1.何よりもまず相手を知ること
相手の強み・弱点を知ってプレーするのと、知らずにプレーするのでは結果は大きく変わってきます。霧のかかった山道を車でドライブするよりも、晴れた日にまっすぐな道をドライブするほうが簡単ですよね。相手のことを知っていれば、大事なポイントも取れるようになります。
相手の試合を見に行って研究してみる、または時間がなければ、こういった練習中に探る(この動画は試合前ではありませんが。)
Hitting with Bryan Brothers 1 of 6
でも、なんか相手の弱点を狙うのは気が引ける、正々堂々やりたいと・・と思っている人もいるかもしれません。しかし、強いプレーヤーたちはしっかり相手を分析しています。例えば、サッカーの日本代表も、海外のチームを分析し、パターンをいくつも練習していますよね。どの競技でも、相手を知ることは、試合で勝つためにやるべきことの1つなのです。
Hitting with Bryan Brothers 2 of 6
そして、相手を知ることで、明確な戦略を立てることができ、その戦略をパートナーと共有することで、チームワークが強くなります。勝ちパターンは5つぐらい持っておいて、常に色々なパターンを試して、どれがベストかを探るのです。
うまくいったものはそのまま続け、うまくいかないものはパターンを変えてみる。
・相手がバックのリターンが不得意であれば、バックハンドにサーブを集めてポーチ
・リターンの調子が良い相手なら、ボディーサーブを打って強打させないなど。
ポイント2.基本的なボレースキルの向上と、素早いネットへの詰め
ダブルスをやられている人ならボレー練習はしっかりやってると思います。しかし、試合で勝つためにはボレーがうまいだけではなく、ネットへの詰め方、プレッシャーの与え方も練習する必要があります。いかに試合の主導権を握るか、うまいチームはネットの取り方も練習しています。
ベースラインから対角線に球出しをしてネットに近づいていくドリル
恒例のボレーボレー
ネットを取ってからポイントをしっかり決める練習
■基本的な技術の向上
ダブルスを強化したい人はもちろん、ネットでの自分のプレーに自信を付けたいという方にもブライアン兄弟の動画は役に立つと思います。
ブライアン兄弟 ストロークアンドボレー
ブライアン兄弟練習 スローモーション
真正面だけではなく、対角線でのボレーアンドストローク
The Bryan Brothers Practice Volleys 2013 Indian Wells California
バックハンド リターン練習
Bryan Bros Playing Points-Court Level View
ポイント3.コミュニケーションを蜜に取る
いくら良い戦略があっても試合がはじまれば、その通りにはなかなか進みません。ですので、常にコミュニケーションを取るように心がけましょう。やり過ぎぐらいがちょうどいいかもしれません。
Bryan Brothers U.S. Open 2012
試合中にアイコンタクトをしたり、話してます
こういったコミュニケーションはリズムを作ります
US OPEN 2013 – Bryan Brothers Chest Bump
■その他・ダブルス練習
Hitting with Bryan Brothers 5 of 6
Hitting with Bryan Brothers 6 of 6